ダイコンサルハムシと和歌山と東北の大根
和歌山で9月下旬に植えた大根。
東北ではいつもそのころに種を蒔いていました。
でも、和歌山は気候がちがいます。
まだ早すぎたのか、ダイコンサルハムシにやられてしまいました。
ダイコンサルハムシって、2ミリぐらいの小さい黒い甲虫で、葉っぱに大量発生してポツポツ穴をあけます。
そして、天敵もいないみたいで、やりたい放題になっちゃいます。
石巻ではなかった被害なので、びっくりするやら、オロオロするやら。
なんかもう根こそぎポツポツがついてみるも無残。
このダイコンサルハムシ、無農薬の畑でよく被害があるそうで、慣行栽培では農薬で防ぐそうです。
無農薬ならではの問題で、種を蒔く時期を見極めないといけないみたいですね。
というわけで、10月の下旬にももう一度撒いたのですが、これは虫にやられなかった。
寒くなったから虫の活動もだいぶおさえられたのですね。
でも、ダイコンサルハムシの発生した畑からは遠いところにうえたので、虫の被害がなかったのかと思います。
ダイコンサルハムシは飛ばないので、大量発生したところから離れたところに植えれば、そこまでやってきません。
そして、ダイコンサルハムシが活発に活動していたころ、そこの大根をとって、畝を一つつぶしたんですね。
そしたら、下の段の畑の無傷の小松菜が、一晩でやられてしまいました。
ダイコンサルハムシがお引越ししただけで、虫の総量はかわらず、ほかの餌にありついただけでした。
畝を潰すのは、失敗だったようです。
ダイコンサルハムシ、アブラナ科の野菜を食べるようですが、やっぱり大好物は大根なんですかね。
それがなければ、他のを食べるみたいな。
それからは、被害にあった畑はそのままにしておきました。
ほかにお引越しされたら困りますからね。
地元の自然農法の農家の方は「虫に食われなくなるまで、まき続けるしかない」とのことでした。
それぐらい、防ぐ方法がないみたいです。
私たちの感覚では、まく時期を遅くする、暖かい時期に種をまかないようにして、発生を抑えるしかないなぁ、という感じです。
そうして冬になると、虫にやられたほうも、強いのだけは残り、なんとか大根になりました。
でも、旨くないんだな。
やっぱり虫にやられると、やられまいとして、美味しくない物質をだして身を守るそうな。
それに、東北で作ったものと比べると、みずみずしさが全くない。
細くて硬くてまるで夏大根のような出来。
ほかの農家の大根も、同じような感じの大根でした。
たぶんここの気候ではこういう大根しかできないんじゃないかな、と思います。
大根を美味しくするのは、東北のあの厳しい寒さだったんだなあ~。
まあ、こっちで向いている作物ももちろんあるので、東北のほうがいい、というわけでもないのですが。
まん丸太くてみずみずしい風呂吹き大根がなつかしい。大根おろしをのせた暖かいそばとか・・・。
でも今、不思議と大根を食べたいという感じにもならないのです。
やっぱり大根は体を温める野菜。
寒い時にハフハフいってたべるもので、暖かい和歌山ではそれほど食べたくならないのかも。
逆に体を冷やすといわれるじゃがいもは、東北では冬に食べようと思わなかったのに、こっちでは、けっこう冬でもサラダやコロッケにして食べています。
そう考えてみると、その土地の気候と作物、そして人間の体の感覚は、つながっているということだなぁとしみじみ思う今日この頃です。